イベント報告 |
16/8/2 | 日 | 「日の丸・君が代」問題等2015全国・学習交流集会 講演:「戦争する国は学校から─いま教育とファシズムを考える」 講師:池田浩士さん(京都大学名誉教授) 学習・交流 デモ行進 8/3(月)の文科省交渉の資料(pdf) (1)事前質問事項 (2)文科省側の出席者と会の進行 同上、文科省の回答(pdf) 1.「日の丸・君が代」に関する質問 2.大阪府・市の教育政策に関わる質問 3.教育改革法案成立後の教育行政の変化等に関連して 同上、質疑応答(pdf) 1.「日の丸・君が代」に関する質疑応答 2.大阪府・市の教育政策に関わる質疑応答 3.教育改革法案成立後の教育行政の変化等に関連する質疑応答 同上、追加質問事項と文科省の回答 2015.10 (pdf) 1.文科省交渉「追加質問事項」 2.「追加質問」への文科省回答 「追加質問」への文科省回答(2) 同上、総集編 2015.11.29(pdf) |
日比谷図書文化館地下ホール | ||
8月2日、「第5回『日の丸・君が代』問題等全国学習交流会」 が開かれました。(参加者147名) 集会では、午前中、 池田浩士氏さん(京都大学名誉教授)の講演がありました。 テーマは <戦争する国は学校から~いま教育とファシズムを考える~> でした。これはなかなか学ぶところの多いものでしたが、 ここでは特に印象に残ったことを紹介しておきます。 それは、「国家儀礼」と「ボランティア活動」は戦争に 密接に関係しているということでした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1918年ドイツは第一次大戦に破れ、ワイマール共和国が出来た。 しかし1933年にはヒトラー政権が発足し、 1935年6月にそれまでの「ボランティア労働」が法律で<義務化>された。 また同年9月にはナチ党の全国大会でユダヤ人絶滅政策が決まり、 それが法制化され、1939年には第二次大戦に突入した。 日本では明治維新以降、天皇制はいちはやく軍隊と教育を掌握した。 (15年)戦争が近づくと「勤労奉仕」が<奨励>から<制度化>になった。 1937年、文部省は『農山漁村に於ける勤労奉仕』を刊行した。 1938年、夏休み5日間の勤労奉仕を実施した(「勤労動員」始まる)。 1939年、「作業」の漸次<恒久化>と<準正課>扱いになった。 1941年11月(太平洋戦争直前)、「国民勤労報国協力令」(勅令)を公布した。 ただ、日本とドイツの大きな違いは、 ドイツにはワイマール憲法に基づく教育があり、 そう簡単にヒトラーは学生生徒を支配できなかった。 それで「ヒトラー式敬礼」、「ヒトラー青年団(ユーゲント)」とか 「アドルフ・ヒトラー学校」などをつくり青年を組織化しようとした。 その点、天皇制国家の公教育による「奉仕活動」などは 日本はナチスをしのいでいた。 そしていま、日本はまた同じ道を進みつつある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (すでに都立高校では、 2003年度に「10・23通達」を出し「日の丸・君が代」の強制を行い、 2007年度から教科「奉仕」が設置され、「奉仕」が義務化されています。 そうして、2013年度から自衛隊での宿泊訓練(田無工業高校)を始めました。 現在の「戦争法案」は、まさにその延長線上にあると考えられます。) その後、 ・午前中は<東京>の「日の丸・君が代」関係の諸報告など(8人)、 ・昼休みに <ジョニーHさんのミニライブ>をはさみ、 ・午後からは <大阪>の「日の丸・君が代」関係の諸報告(7人)があり、 <宮城><千葉><神奈川><愛知><兵庫><三重><福岡> からの報告の後、 <学校教育にしのびよる自衛隊><教科書問題> <道徳教育><大学問題>の報告があり、 最後に<「ひのきみ全国ネット」結成>の報告がありました。 ここでは今回はじめて<大学問題>(青山学院女子短大・清水康幸さん) の報告がありましたので、ますそれを紹介しておきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最近文科省が国立大学へ「日の丸・君が代」実施を要請した。 国立大学(80校余り)で言えば、「日の丸」は70数校、 「君が代」は11校で実施している。 いまや大学も国家に絡め取られるようになってきた。 国立大学は10年前に独立行政法人となり、昔とは全く変わってきた。 研究費は学長の元に召し上げられ、 研究を申請して認められなければもらえない。 すべて競争になるので学者たちはバラバラになる。 一方学長の権限は強化され、 その学長を選ぶのも、学外者を含めた形になっている。 「日の丸・君が代」もお金欲しさでやるところが出てくるだろう。 というのは、この間毎年1%ずつ予算が減らされ、この10年で1割減らされた。 そして種別化して重点配分するから。 最近では、まだ自由な私立大学に逃げてくる学者たちもいる。 しかし、安保法制が出てきて、憲法学者の役割、アカデミズムの役割 が考えられるようになった。 「学者の会」には1万人以上が賛同している。 「日の丸・君が代」強制にも3000人以上が賛同している。 いろんな大学で集会なども開かれている。 大学での学問は「全てを疑う」、「常識を信じるな」というところから始まる。 学生たちに「日の丸・君が代」の意味を聞くと殆ど知らない。 そこで、戦前の教科書で「君が代」がどう説明してあるかを示す。 するとよくわかる。 またそこには「日の丸」⇒「君が代」⇒「靖国神社」の順に説明してある。 事実を知れば理解する。疑問が生じる。そこから学問は始まる。 ちゃんと歴史や事実を伝えることが大事だ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー また<道徳教育>については、 まもなく90歳の北村小夜さんが報告してくれた。 北村さんは戦前の「唱歌」と「道徳」の関係を述べ、 常に音楽と「道徳」とは深い関係があることを指摘された。 その上で次のように述べられた。 「自分は、戦後ずーと抵抗してきた、それなのに こんなことになってしまい申し訳ない、と語って来た。 しかし最近は、私たちが闘ってきたからこの程度で済んでいる、 現場の人が大変だ大変だと言うが、 それはあなたたちが後ずさりするからじゃないの、 と言うようになってきた。 権力は教師の力、教育の力を知っているから攻撃してくる。 彼らが恐れていることに対して、 教員たちはそれに見合うだけのことをしているだろうか。」 ここでは、それ以外の発言については紹介できませんでしたが、 いずれも、国会で「戦争法案」審議中に開かれた全国集会 にふさわしいものだったと思います。 |
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